ロシアのマスコミがどうなっているのか

ロシアのマスコミがどうなっているのかをのぞいてみよう。

ロシアには「プラウダ」、「イズベスチア」などのマス・メディアがあるが、その紙名とは裏腹に、ロシア政府にとって都合の悪いことは、絶対に書かない。

国民もある程度はそのことを知っている。そこで、マスコミとしても、政府に都合が悪くても、市民生活に直接影響するような事柄については、ある程度サービスしておかないと、国民からそっぽを向かれてしまうわけだ。

で、こんな記事を載せる。

「アフリカの○×国では、牛肉が足りなくて、市民が肉屋の店頭に行列を作っている……」

ロシア国民は、この小さな記事で「ハハア、我々の町でももうすぐ牛肉が足りなくなるんだな」と察知して、あわてて肉屋にかけつけるというのだ。生活の智恵というか、新聞記事の裏側や、行間にある意図までも読みとることに発達しているわけで、国民総スパイといえなくもない。

もちろん、西側にも、ロシアの新聞などの行間を読んで動きを探る専門家がいて、彼らのことは″ソビエトロジスト″と呼ばれている。また、ロシア首脳陣の実力度を、大きな大会などでの並び順で判断し、研究している人を″クレムリノロジスト″と呼んでいる。